Medical & Security System
医療現場においては,様々な理工学技術が導入され,日々の診断,治療に役立てられています.その中でも医用画像処理を中心とした画像処理技術は,特に欠かせない存在になっています.我々は,画像を用いることの最大の利点は,非接触,無侵襲に患者の状態を把握することができる点にあると考え,様々な診断,スクリーニングを画像センシング技術の導入により支援することを目的として研究を進めています.身体の微小な動きを検出するFG3次元視覚センサの医療応用として,呼吸状態の不安定な赤ちゃんの呼吸状態をモニタリングするシステム,高齢化と共に低下するモノを飲み込む能力の低下度合いを評価する,摂食嚥下機能評価システム等の研究開発を行っています.また,ガレキの下に埋もれている要救助者のバイタルサイン(呼吸)を,レーダ,信号処理,画像技術により発見するレスキューレーダの研究も推進しています.
新生児呼吸モニタリングシステム
新生児、特に早産児は身体が弱く、また呼吸が常に不安定であることから、非接触・非拘束で信頼性の高い呼吸モニタリングシステムが必要とされています.そこで本研究では、FG三次元視覚センサを用いた画像処理によって、非接触・非拘束で新生児の呼吸をモニタリングし、呼吸機能成熟度評価をリアルタイムで行うシステムの開発を行っています.非接触型は社会的ニーズが高く、そして画像処理による非接触型呼吸モニタリングシステムは世界初の手法です.国立成育医療センターと提携しながら、誤警報の無い信頼性の高い呼吸モニタリング、新生児の呼吸性疾患の早期発見、将来的には在宅介護への導入を目指し、研究を続けています.(新實)


FG視覚センサを用いた嚥下機能の定量評価
嚥下とは飲み込む動作を言いますが,高齢になるにつれて喉の筋力の低下から物を上手く飲み込めずに肺炎を起こす方が国内高齢者の約3割います。現在の診察方法として触診,X線による造影検査や内視鏡検査などが挙げられますが,定性的な診察方法やX線の被曝など,いずれも安全に正確に検査するのは難しいです。そこで我々は喉に直接触れず,非接触で安全に定量評価できるシステムを開発しました。本システムでは,3次元情報を取得できるFG(Fiber Grating)視覚センサを用いて喉の3次元形状を構成し,飲み込む際の喉の3次元形状の動きをもとに挙上量,速度,時間といったパラメータを算出します。それにより,非接触で嚥下機能を定量的に評価しています。(高野)

パルスレーダを用いた瓦礫の下の生存者探索システム
大地震による死因の70~80%は家屋の倒壊による窒息・圧死だと言われている。そのため災害現場では限られた人材を最大限活用し、救助作業を行う必要がある。この研究ではレスキュー隊員が円滑に救助作業を行うための生存者探索システムを提案している。1.2GHzのパルス状の電磁波を瓦礫内に送信し、その反射波から生存者の有無及びレーダからの距離を測定する。4つのレーダから得られた生存者までの距離情報をもとに生存者の位置を特定し、レスキュー隊員に位置を示す。これにより従来より迅速かつ円滑な救助作業が期待できる。(村上T)


