ITS & 空間情報システムにおける画像センシング グループ of 慶應義塾大学 理工学部 電子工学科 青木研究室

安全な自動車実現のための画像センシング

 近年,自動車にはカメラ,レーダなど,様々なセンサが搭載され,外界の環境認識やドライバの状態認識による安全運転支援システムが実用化されつつあります.我々は,車載カメラ映像から安全運転を支援するために有益な情報を抽出する画像認識技術の研究に取り組んでいます.しかし,画像認識性能の向上は著しいものの,運転中の自動車を取り巻く環境は時々刻々と,ダイナミックに変化しており,その中で100%の認識率を達成するのは不可能です.そこで,高度な地図情報に埋め込まれた付加情報や位置情報をデータベースとして併用しながら,画像認識性能を補間し,画像センシングだけでは困難なサービスの実現を目指しています.また,それに活用可能な次世代ナビゲーションマップ生成のための画像認識技術についても研究しています.処理対象は,車載カメラ映像だけでなく,より広域な空間情報を獲得するための航空画像,衛星画像にも及んでいます.

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  対称性判断と人物輪郭形状を用いた車載カメラによる歩行者検出

 現在,交通事故死者数は減少傾向にありますが,歩行者の死者数に占める割合は増加傾向にあることから,歩行者への予防安全対策は今後も必要といえます.本研究では,車載カメラで撮影した前方の映像から,高速かつ高精度な歩行者検知の実現を目的とします.高速な検知としての候補位置推定については,人の輪郭の左右対称性に着目して候補位置を絞っております.候補位置を絞る事で画像を全探索するより100倍以上高速に処理する事が可能になります.歩行者を高精度に検知する技術としては少し離れた位置にあるエッジ情報を記録するCoHOGと呼ばれる技術を適用しています.さらには,そのCoHOGにエッジの強度情報を記述することで高精度な歩行者検出を実現しています.(片岡)

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  ドライブレコーダ映像を用いた交通事故の定量解析

 近年では、運転者の安全意識向上、危険運転や事故時の映像記録を目的としてドライブレコーダの導入が進められています。ドライブレコーダとは一般に時間軸を基準に前方を撮影した走行動画像を記録するもので,事故及び危険運転が発生した時間から前後数十秒が自動的に記録されます。そこで、本研究では,時系列に並んだ走行画像を基に単眼であるドライブレコーダの位置、姿勢とカメラ環境(市内環境)をSimultaneous Localization and Mapping (SLAM)問題とみなし,その解決手法としてStructure from Motion(SfM)を用いることで解決していきます。事故に関係した車両(自車,他車)と道路構造の自動復元による,交通事故状況の可視化と定量解析を目標に研究を進めています.(林)

※SLAM問題:自己位置と3次元環境モデルの同時推定
※SfM:画像のみからSLAM問題を解決する手法

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  ドライブレコーダ映像を用いた運転手挙動の画像解析

 事故を未然に防ぐことを目的とした研究の多くが,車外にセンサを向け外部の環境を認識し運転の支援をおこなうものでした.しかし,片手運転や車載機器操作など運転手の動作が原因となった交通事故が多数報告されています.そこで本研究では単眼カメラ映像から非接触で運転手の動作を推定し,運転手の挙動と事故発生原因の関係を解明することを目的としています.ドライブレコーダ映像を対象に,非接触での運転手の各部位(頭部,肩,手領域)を検出,ロバストにトラッキングするアルゴリズムを提案し,実映像を用いた実験により提案手法の有効性を検証しながら,危険動作を自動で警告するシステムの構築を目指しています.(尾山)

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  データベース作成のためのかすれや影のかかった路面標示に対してロバストな記号認識

 高度道路交通システムの分野では、カーナビゲーションシステムのための路面標示のデータベースを作成する事で、走行中に前方の注意地点情報を提供し、事前に注意を促すことで事故発生の抑制に期待できる。そこで本研究では、計測車からの前方撮影動画からオルソ画像を作成し、GPSを用いて車の移動経路や画像上の点を世界座標系と対応させることで路面標示のデータベースの作成補助のためのシステム構築を目的とする。従来の航空画像を用いた路面標示の検出に比べ、使用機材が車載カメラ1台のみであることと人的コストの削減による低コスト化、さらには検出漏れや見逃しの減少が期待できる。(原)

図:路面標識認識.png

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